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新選組局長の近藤勇。意外におおらかで優しい性格だった?

歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第38回 ~近藤勇~

知性30%(偏印2つ)

 知性は、様々な分野の知識が豊富で、頭の回転が速い星。特に、「偏印」はアイディアやひらめきが豊富で、学校で習う以外の分野、例えば企画、IT、占い等で才能を発揮する。この星を2つ持っている勇は、この性質が高まっていたと考えられ、その場その場に応じて物事を論理的にとらえ、様々なひらめきを生み出していただろう。

 新選組の名を世に轟かせた事件の一つに、池田屋事件がある。「6月20日前後の風の強い日に京都市中に火を放ち、その混乱の中で天皇を連れ出し長州に御動座いただこう」という途方もない企てを耳にした新選組は、その謀議を企てる場所を池田屋と四国屋に絞り込み、隊士に出動の名を下した。勇は、目立たぬように数人ずつ組ませて集合場所に向かわせた。当時、京都守護を仰せつかっていた会津藩と合流する予定であったが、集合時間の午後8時を過ぎてもやってこない。このままでは好機を逃してしまうと、勇は行動に移す。土方に大多数の部隊をつけて四国屋に送り、自らは沖田総司、藤堂平助、永倉新八ら6名で池田屋に乗り込んだ。「御用改めに参った」といきなり刀を抜いて階段を駆けあがったというエピソードはあまりに有名である。後に土方隊や会津藩も合流し、最終的に肥後の宮部鼎蔵、長州の吉田稔麿ら尊王攘夷方9名を斬り、京の尊王攘夷派は壊滅状態になった。後に永倉新八が「この陰謀が爆発したら維新の対局は1年早く定まっただろう」と語ったように、これほど大きな事を成し遂げられたのも、相手にバレずに事を運び好機をつかんだ、勇の判断力、ひらめきがあったからこそと考える。

 

人脈30%(偏財)

 人脈は、気遣いができて誰とでもコミュニケーションが取れる星。中でも、「偏財(へんざい)」は、幅広い人脈を持つ。誰に対しても優しく、その優しさゆえにお人よしで断れない性格のため、騙されやすい面もある。恋愛運の星でもあり女性にモテる。

 新選組の屯所が近かったため、島原に通うことが多かったというが、勇も相当モテたようである。大坂新町「折屋」の深雪太夫等、当時の人気芸妓と多々浮名を流している。

 そんなモテモテの勇であったが、江戸に妻子がいた。天然理心流を継承し、試衛館の主として精力的に活動をしていた時、実家の宮川家や義父周助から嫁をとるように強く勧められ、何度も見合いをしたという。きれいな娘や家柄のいい娘もいたが、勇はことごとく断り、世話人達も「もうこれ以上娘はいない」と手を引き始めた。そんな中、勇は、家柄はそれほどでもなく、容貌は醜いというくらいの娘、ツネを選んだ。(ツネの写真を見ると醜女とも思えないが)仲人ですら「きっと断るだろう」と期待せずに持ち込んだというから周りは驚きそのわけを問うと、「醜女は真情をもって夫に仕える」と話したという。そのほか、試衛館のような男所帯を切り盛りする奥方が美人すぎると何かとトラブルになるから等様々な説があるが、いずれにせよ、当時24歳で行き遅れと揶揄されていたツネを娶ったのは勇の優しさゆえだろう。

 勇が処刑された後、ツネは強引に再婚を進められると、「二夫には仕えない」と自害しようとしたという。死後も、勇一筋を突き通したツネ。勇は男性として相当魅力的だったのだろう。

 

遊び心30%(食神)

 生活に遊びを自然に取り入れることができる星。中でも「食神(しょくじん)」は、みんなでカラオケに行ったりお食事をしたりおしゃべりをしたりするのが大好きな星。おおらかで子どもっぽく無邪気な性格でもある。

 新選組の宿舎、八木邸の八木為三郎(当時の家主・源三郎の子)は勇について「たくさんいる新選組の中でも違っていた。私共に会ってもなにかしら言葉をかけてニコニコして見せる、無駄口は聞かず立派な人だった」と話している。また、日野の佐藤俊宣は「口の大きい眉の迫った顔つきではあるが、いつもにこにこしている上に、両頬大きなえくぼがあるので会った感じはもの優しいいいところがあった」と話している。口が大きかったようで、よく自分の拳を口に入れて自慢し、「加藤清正のように自分もお金持ちになりたい」と話していたという。勇の当時の写真を見ると、怖そうな面持ちでとても笑顔を見せそうにないが、気さくで子どもっぽい性格だったのかもしれない。

 

自立心10%(劫財)

 自分の信じた道を突き進み、リーダーシップを持っている。中でも「劫財(ごうざい)」は、社長タイプ。組織をまとめることが得意で、欲しいのはどんな手を使っても手に入れたい!という強い星。

※この先、十二運星「帝旺」のところで説明する

 

行動力0%

 勇は天然理心流の試衛館の道場主であり、その剣術の腕前は今でも語り継がれているが、意外にも、頭で考えるよりも行動しようとする攻撃性の星である「行動力」を持ち合わせていなかった。命式表の大事な部分である、主星に「食神」、自星に「偏財」を持っているように、基本的にはおおらかで優しい性格だったのだろう。

 となると、新選組が血も涙もない人殺し集団として恐れられていたのは、勇の人柄というよりは、副長として厳格な体制を作り上げていった土方歳三の存在が大きかろう。こうなると、歳三も四柱推命鑑定したいところだが、残念ながら生年月日がわからない。

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妃萃(本名:油川さゆり)

ひすい

青森県八戸市出身。慶應義塾大学 社会学研究科 教育学専攻 修士課程修了、同研究科 同専攻 後期博士課程在学中。2013年鳥海流・鳥海伯萃より四柱推命の指南を受ける。これまで500人以上を鑑定。多数の弟子を輩出。

元放送局報道記者。フリーアナウンサーとして、BS11の番組にレギュラー出演しているほか、ナレーターや司会として活動中。日本の歴史、伝統芸能を伝えるため、歴史勉強会、その他イベントを主宰。自身も大和言葉、辞世の句、武田氏と油川氏等について講演活動を行う。合同会社真己、共同代表。また、2016年6月から「カミムスヒ」というソングユニットで歌手活動を開始。手話検定3級、ホームヘルパー、視覚障害者ガイドヘルパーの資格を持ち、社会福祉活動に積極的に携わる。


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